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【離島留学4期生卒業報告会】橋本花凛さん『悩みや傷に向き合う大切さを』

久米島町では、毎年、久米島高校を卒業する離島留学生たちが3年間の想いのたけを綴る、離島留学卒業報告会を開催しています。

参考:離島留学卒業報告会開催しました!

 

お世話になった地域の方々や保護者、友達への感謝の想いを語る、とても素晴らしい場です。文章だけでその雰囲気をすべて届けることは不可能なのですが、彼らのスピーチ原稿を、このブログにて公開していきます~。

 

今回紹介するのは、神奈川県出身、橋本花凛さんのスピーチです!

久米島高校園芸科卒業、神川兼出身、橋本花凛さん
久米島高校園芸科卒業、神川兼出身、橋本花凛さん

皆さん、こんにちは。

この度、久米島高校 園芸科を卒業した橋本花凜です。

これから私の久米島の三年間を話していきたいと思います。

離島留学を選んだ理由

自分は中学三年生の頃まで、進路が決まっていなくて全く考えていませんでした。

中学生の進路面談の時、担任の先生から「学力的に神奈川県の高校は行けないです。」と言われて少しいじけていました。

中学生の時、勉強をさぼり続けていた私は、高校に行って勉強をやり直さないとまずいかなと焦っていました。

 

そんなとき、父が新聞記事で久米島の存在を知り、そこで離島留学制度を募集している事を教えてくれました。

そして、大自然が好きなのと、農業をしてみたいのと、実家から離れるのに抵抗がなかったため理由で久米島にやってきました。

島生活で体験したこと

久米島では、様々な事を経験しました。

学校では園芸科として鶏の屠殺実習や、野菜の育て方、トラクターの操作など、たくさん学びました。

特に命に直接関わる事が多く、自分が普段食べている生き物たちの事を今の世の中、よく知る事が大事だとあらためて思いました。

 

部活はバレーボール部に入部し、バレーボールの楽しさ、チームと言うものがいかに大切なのかを知ることができました。

バレーボールの中で学んだ事は、「自分の敵はだいたい自分だ」ということです。

努力すれば、するだけプレーが上手くなり、上達します。

今までの自分に打ち勝つということは、成長への一歩なのだとバレーボールを通して知ることが出来ました。

 

また将来、動物関係の仕事をしたいと思い、久米島に来る前から気になっていた久米島馬牧場でボランティアをさせていただきました。

 

球美の里のボランティアにも参加し、子どもたちと遊んだり、ご飯を食べたりしました。子どもたちの明るさ、笑顔を見て世の中の宝だなと思いました。

 

タイへのあこがれ、海外での学び

タイの好きな俳優さんが出演している映画を観ていた時、タイの人たちの象に対する、接し方、尊重するという姿勢に共感を覚えました。それをきっかけに、『タイに行きたい、象つかいになりたい」と思いました。

海外に出てもっとたくさんの経験をしたり、動物関係で働いてみたり、象つかいになりたいと将来の事を考え始めました。

 

三年生では、二回外国に行く機会がありました。

一回目はハウスマスターが紹介してくださった「Loohcs」という団体です。

Schoolを反対にした読み方で、今までの教育をひっくり返すことを目指している教育機関です。

その団体が開催しているプログラムでミャンマーに行き、ゴミ問題について日本とミャンマーの学生同士が話し合うというイベントに参加しました。

初めての海外で不安もあり、周りはすごい人ばかりで自分の未熟さを痛感しましたが、自分が成長するとても良い体験をさせていただきました。

 

二回目は、象つかいになるという夢を叶えるために、自分でツアーを探し、観光と象つかいの体験ができるツアーを見つけ、タイに行きました。

タイの空気や街並み、人々の暮らしを生で見て、肌で直接感じられたのはとても良い体験でした。

象にも一人で乗ったり、背中に直で乗らせてもらうのは初めてなので、全部新鮮でとても楽しかったです。

自分がまだ知らない世界があるのだと思うと、さらに海外に行ってみたいというと思いが強まりました。

 

また、久米島赤鶏牧場で、少しの間でしたがバイトをさせていただきました。

仕事は主に、牛舎掃除、鶏のご飯、水替え、マンゴーハウスのビニール替え、マンゴー収穫、雑草抜きなど他にも色々ありました。そこでも、動物と関わる仕事について学ばせてもらいました。

 

悩みや傷に向き合う大切さ

本当にここに来て良かったと思う事は、自分でもびっくりするぐらい脳みそが変化し、柔軟な考え方が出来るようになったという事です。

寮生活を始めてから自分自身の事をとてもよく知れたと思います。

色々な価値観の人たちと出会い、たくさん会話をしていくうちに自分の考えや意見を相手に伝える事が上手くなりました。

間違っていると思った事は間違っていると言えるようになりました。

自分がこんなにも変われたのは寮、そして久米島のおかげだと思います。

 

今までは、どう悩みを無くすか、早く解決しようかを考えて生活していましたが、悩みとか傷は引きずっても良くて、その気持ちに自分が正直に向き合い、付き合っていくということが大事なのだと考えるようになりました

 

自分にとって寮は、自分自身の事をよく知る事が出来る貴重な場所でした。

今までは、正直言って自分に興味がなく、何もかもがどうでもよかったのですが、寮に来て色々な人に出会い、悩みを打ち明けたり、議論したりしていくうちに自分の存在を大切にするということが、人生で初めて出来たと思います。

とても嬉しかったです。

 

つまづきながらも進んでいきたい

最後に・・・

たくさん自分の話を聞いてくれたり、相談に乗ってくれたり、楽しい時間をくれた寮生の皆。

ご飯をご馳走してくれたり、遊びに連れっていって下さったり、気にかけて下さった里親の方々。

暖かくしてくれた町民方や、久米島馬牧場の皆さん、バイト先の赤鶏牧場の皆さん、寮での生活を支え、面倒を見てくれたマスターの方々。

久米島に行かせてくれた家族

 

全ての人に感謝です。

 

これから自分は、もっと色々な経験をし、様々な場所へ行き、たくさんつまずいて進んでいきます・ 

 

本当に三年間、お世話になりました。ありがとうございました。