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数学と「まなびや」の話

寮生のロメルです。

先日、中学校の支援員の方からお誘いがあり、「まなびや」という放課後学習支援にお手伝いに行きました。自分の勉強もしながら中学生に数学を教えました。中学生との学び合いの時間はとても有意義なものでした。彼らに数学を教えながら、改めて数学の面白さと、「考えること」の大切さを学ばせてもらいました。

「まなびや」の後、支援員の方に送ったレポートを、以下に載せさせていただきます。

 

≪昨日の学び舎では数学を中1メンバー3人に教えました。範囲は「単位あたりの量」いわゆる速さの計算です。
3人には、最初簡単な問題を出しました。当然みんな解けました。こんくらいは出来るよ!って感じです。
そこで僕は聞きました。「じゃあ、なんでこうなるの?なんでそのような計算をして出せるの?」すると、なんでだろうと首をかしげます。
不思議ですね、なんで解けるのかわからないのに解けるのです。僕はこのような数学のカタチがあまり好きじゃありません。解ければいい、暗記数学です。これでは数学の良さが全く伝わらない。
3人には一通り考えてもらったあと、徐々に図を描き、ヒントを与えました。そして、一問目の答え(何故そうなるのか)はわかるようになりました。
そして自分たちで説明できるようにもなりました。
そして2問目は同じ範囲で、しかし今度は求めるものを変えて問題を出しました。3人とも、よく考え、問題文を自分がさっき学んだ解き方に変形させて同じように(しかし、求めるものは違うので全く同じではない)、解くことができました。説明も、自分の言葉に変えてできてました。
何問かやったあと、最後に、少しひねった問題を出しました。でも、3人なら解ける問題です。問題を解いてる中で、3人とも今までより時間かかっていました。「少し難しかった?」と聞くと、一人が「答えは出せたんですけど、何でそうなるのかがわからなくて。。」と言いました。
こんな短時間で数学の本質を身体で覚えってしまったのです。僕は鳥肌が立ちました。3人とも説明できるまでいろいろ図など工夫したりして、最後にはみんなちゃんと自分の言葉で説明をして終わりました。
数学の良さは、沢山ありますが、僕が数学が好きな理由は、問題を自分のアプローチの仕方に変形させ、考えていくところです。これは、数学だけでなく、様々な社会の問題を考える上でも言えることです。だから、ただ答えが出れば良いのではなく、何故そうなるのかというのを自分の言葉で説明することが大切だと思います。実際の問題は、答えなんて無い方が多いのですから。
中学生との学び舎とってもいい学びをさせてもらいました。また行きたいです。≫
                                                   レポート以上。
最後の問題の時は、本当に感動しました。答えが出ているにもかかわらず、彼らはそれが自分で納得いくまで、考え続けたのです。これはとても大事だなと、思いました。多くの問題に対して、私たちは「答え」ばかりを求めがちです。しかし、本当に大切なのは、「答え」よりもそのプロセスに納得できるか、なのではないでしょうか。
また今回は、教える上でのことも学べました。
教える側は、いくらでもスピードや効率を考えた解き方は教えられます。要するにカッコいい解き方です。ですがそれで生徒たちが納得いくかどうかは分かりません。納得いかずとりあえず覚えとく、というようなことになるでしょう。
どんなに教える側が「それよりもいい案がある。」と思っても、その子が納得いくやり方のほうが何十倍も意味があるのだと思います。これは数学に限らずです。教える人はいらないということではありません。僕の場合だったら、一回中学の勉強をしている分、その子が納得いくようにサポートや、ヒントを与えられることはできると思います。そして、何よりも教えながら学ばせてもらうことが沢山あり、それはとても意味のあることです。
今回の「まなびや」では、本当に学ぶことが沢山ありました。自分も中学生たちのように、粘り強く物事を考えていくことを大切にしたいです。
一緒に学ばせてもらった中学生と、呼んでくださった支援員の方に感謝しています。